夏登山のレイヤリング
夏の登山やトレッキング時の服装とは?
レイヤリング別に解説!おすすめモンベルウェアも紹介!
夏の登山やトレッキングは、夏らしい鮮やかな新緑に包まれた自然の景色を堪能できます。しかし、登山を快適に楽しむには、その季節に合った服装を選ばなければなりません。
そこで今回は、夏の登山やトレッキングの服装についてご紹介します。注意点からおすすめのウェアまで、愛知県の登山用品専門店「駅前アルプス」が徹底的に解説します。 ぜひ、登山の基本的な服装をチェックして、絶景が広がる夏山に出かけてみてくださいね。
鮮やかな自然の緑に、澄んだ空気!夏登山の魅力
山ごはんや写真など楽しみ方はさまざま
防寒や紫外線対策を!夏登山の注意点
夏は初心者にもおすすめの登山シーズンですが、登る上で注意しなければならない点もあります。 夏登山を楽しむ場合は、以下のような点に注意しなければなりません。
①:汗冷え
夏の登山ではたくさんの汗をかくため、汗冷えを起こすことがあります。 汗冷えとは、衣服がぬれることで体温が奪われ、急激に寒さを感じる状態です。汗をかいた状態や、汗が蒸発するときに体温の熱は奪われるため、汗冷えが起きてしまいます。 汗冷えによって体温が低下すると、筋肉や関節などの身体機能が弱まるため、転倒やケガのリスクも高まってしまうので、注意しましょう。
天候悪化による雨も同じで、衣服がぬれた状態で強風にさらされれば、低体温症のリスクにつながります。低体温症はひどくなってくると意識がもうろうとしたり、心肺停止になったりと命を奪うこともあるので、万全の準備で登山に挑みましょう。
②:紫外線対策
登山やトレッキングで山に出かけるときは、紫外線対策もしっかりとしましょう。 標高が高い場所では、上空の大気量が少なくなり、紫外線が散乱しにくくなります。そのため、登山では紫外線の直射光が強くなり、紫外線によるダメージが街中よりも増えます。 紫外線はシミやシワなどの肌トラブルや、白内障など目のリスクにも影響するのでケアが大切です。
一般的に、紫外線は標高が1000m上がると約10%増加するとされているので、標高2000mや3000m級ともなれば、それ以上の紫外線を浴びてしまいます。 山の日焼けは色素沈着を起こしやすく、顔が赤くなるだけでなく、黒っぽくなったり、皮がむけたりなど、症状によっては長引くため、たかが日焼けとあなどってはいけません。 登山ではなるべく肌を露出しないか、日焼け止めや帽子で素肌を守るなど工夫が必要です。
③:水分補給・熱中症
夏の登山は暑い中で長時間歩くことも多いため、のどが渇く前に水分補給を行いましょう。 いくら半袖やショートパンツなどの服装で体温調節に気をつけていても、体内の水分が不足すると熱中症や脱水症状を引き起こしやすくなります。飲み物はスポーツドリンクなど、不足したミネラルや塩分も一緒に補給できるものがおすすめです。
熱中症は高温・多湿の状況でなりやすいので、「暑くてムシムシする」と感じるときは要注意です。 登山中に水分不足を起こすと、体が動かなくなる危険もあるので、汗として出た水分は必ず補給しましょう。
④:落雷
夏山では突然の雨など、天候の変動が激しく、落雷への注意が必要です。 夏は地上の気温が上がるため上昇気流が発生し、雲が発達しやすくなります。その中でも山の斜面は暖かい空気が集まりやすく、雷雨が起こりやすい環境です。
登山中に雷が近くで鳴ったときは、とにかく低い場所に避難するようにしましょう。 特に山頂付近や稜線(りょうせん)は遮るものが何もないので、雷の標的となる危険があります。 そのため、状況によっては下山することも大切です。
雷の移動速度は、最大で時速40kmとされるので、遠くで鳴っていても安心することはできません。 登山前には必ず、ニュースやアプリなどで天気予報を確認するようにしましょう。
⑤:防寒対策
夏の登山でも防寒対策は必須です。 気温は標高が100m上がるごとに0.6度下がるとされており、登山口と山頂とでは気温が全く違います。 山によっては、夏でも山頂直下の気温が都心の真冬並みになることもあります。
特に風が強く吹く場所では、気温以上に寒さを感じます。そのため日差しが強い夏でも、ジャケットなどの防寒着は忘れずに持っていきましょう。 行動中は暑いと感じるかもしれませんが、休憩中は肌寒さを感じることもあるので、汗冷えを防ぐためにも、パッと羽織れるウェアは必要です。
夏登山の服装はレイヤリングが基本
レイヤリングで体温調節をスムーズに!
登山では、服を重ね着するレイヤリングが重要です。
山は天気が変わりやすく、行動中と休憩時では体感温度も異なるため、その場に合わせて適切な服装を選ぶ必要があります。レイヤリングを導入すれば、体温調節がスムーズになるため、暑いときにも寒いときにも対応できます。
夏はTシャツ1枚で行動することも多いですが、そのままでは朝晩の冷え込みに対処できません。そんなときも重ね着であれば、体への負担が少ない登山になります。 レイヤリングを上手に活用し、体のコンディションを整えながら、楽しんでくださいね。
レイヤリングの基本は3つのレイヤー
登山の服装は、肌に近い方から順にベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターの3つを重ねるのが基本です。レイヤリングは、これらのウェアを組み合わせて行います。
各レイヤーの役割は、まずベースレイヤーが汗や湿気を吸って、次にミッドレイヤーが適度に保温しながら汗などの水分を外に逃します。最後にアウターが雨や風から体を守りつつ、汗をスムーズに通過させることで蒸れを減らし、快適に過ごすことができます。
レイヤリングは季節に関係なく重要ですが、夏と冬では当然レイヤーの選び方にも違いがあります。 冬登山のレイヤリングについては、別記事で詳しくご紹介しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
【種類別に解説】 夏登山に必要なウェアやアイテム7選
登山用ウェアは各種メーカーがさまざまな商品を開発していますが、初心者にはモンベルがおすすめです。 登山に必要な機能を備えたモンベルのウェアは、価格もリーズナブルで手を出しやすいのが特徴です。 ここでは各レイヤーなど種類別に登山用品を紹介するので、ぜひウェア選びに役立ててみてくださいね。
1.ベースレイヤー(アンダーウェア)
ベースレイヤーとは、肌に直接触れるウェアで、主なデザインには、Tシャツや薄手の長袖などがあります。夏でも汗を素早く吸い上げて乾かすため、ベースレイヤーは登山で欠かせません。 夏のベースレイヤーに最適なものとして、吸汗・速乾性に優れていることや、ポリエステルやポリプロピレンなどの化学繊維を使用しているものなど、さらっとしたドライな着心地で、汗冷えも防いでくれるウェアを選びましょう。
ワンポイントアドバイス
夏の登山はTシャツで歩くことも多いので、1枚で着られるデザインだと便利。抗菌・防臭機能があるウェアなら、気になる汗のニオイも防いでくれますよ
2.ミドルレイヤー
ミドルレイヤーは、ベースレイヤーとアウターの間に着るため、中間着ともいわれます。夏場は、登山中の行動着であり、寒いときの防寒着にもなります。
主な目的は保温ですが、汗を逃がす必要があるため、速乾性や通気性が大切です。 ミドルレイヤーの種類には、長袖・半袖シャツ、マイクロフリースなどがあり、朝晩や休憩中など使用シーンが多いため、最低1枚はリュックに入れておきましょう。
ミドルレイヤーは肌に直接着ることもできますが、やや厚みがある場合、暑く感じることがあるので、注意しましょう。
ワンポイントアドバイス
ミドルレイヤーは、前面にジッパーが付いていると体温調節がしやすくなります。着脱の手軽さで選ぶのであれば、ボタン付きシャツやフルジッパータイプがおすすめです。
3.アウター(レインウェア)
アウターは防水・防風性に優れた防寒着で、風の強いときや雨天時に活躍します。 夏の低山など着る機会が少ない登山では、レインウェアで代用すると荷物を軽くできます。
登山においてレインウェアは重要なアイテムで、晴天時でも携帯は必須です。選ぶときは「防水透湿素材」のものを、上下セパレートで用意しましょう。 レインウェアは完全防水に加えて、不快な蒸れや湿気を取り除いてくれる透湿性も大切です。
透湿性のないウェアだと、外からの雨は防いでも、内側からぬれてしまいます。また、レインウェアはポンチョも人気がありますが、足元がぬれてしまうため登山では避けた方が無難です。
ワンポイントアドバイス
レインウェアは決して安い買い物ではありませんが、登山中の風や寒さから身を守るためには必要不可欠です。 カラーやデザインも豊富で、軽量モデルなどもありますが、初心者向きの山であればノーマルモデルでも十分使えます。
mont-bell(モンベル)ストームクルーザージャケット
卓越した防水性・透湿性、そして軽量性、全てを備えた究極のレインウエア。
すっきりとした無駄のないシルエットで、ウインドブレーカーや防寒着としても活躍します。
4.パンツ
登山用パンツは通常のパンツよりも動きやすく、ストレッチ性に優れ、素材に化学繊維が使われています。そのため、汗の乾きが速く、不快感も軽減できます。表面には撥水(はっすい)加工が施されており、多少の雨ならはじく設計です。軽くてタフなパンツは、1本持っていると重宝しますよ!
ワンポイントアドバイス
登山用パンツは定番のロングやショートをはじめ、ひざ下部分をジッパーで切り離せるモデルまであります。ロングは虫刺されや小枝から肌を守ってくれるので、夏も活躍するデザインです。
mont-bell(モンベル)ストレッチカーゴショーツ
コットンのようなハリとサラサラとした風合いを持ち、撥水性に優れた 素材を使用しています。 内股にはマチを設け、足上げがスムーズに行えます。
5.帽子
体力の消耗や日焼け防止のために、帽子は必須です。夏の登山やトレッキングでは、つばの広いハットやキャップを選ぶようにしましょう。 標高3000mなどの高山では冬並みに寒いこともあるため、頭と耳を保温できる帽子も一緒に持っていく必要があります。
ワンポイントアドバイス
夏用の帽子には、UVカット機能が備わったモデルもあります。 カラーは黒や紺などの濃い色だと、紫外線カット効果も高くなるのでおすすめです。
mont-bell(モンベル)GORE-TEXメドーハット
コットンのような落ち着いた風合いながらも、透湿性・耐久性に優れた防水透湿性素材を使用した全天候型ハットです。
6.ソックス
ソックスも綿は避けて、ウール製品など化学繊維を身につけるようにしましょう。足も汗がたまりやすい部分なので、できるだけドライな状態を保てるものがおすすめです。
登山用ソックスは通常のソックスと比べて、つま先やかかと部分が補強されているため、耐久性に優れているのも特徴です。
ワンポイントアドバイス
ソックスは厚みもさまざまなので、自分の足型に合うものを選ぶことが大切。履いている登山靴とのフィット感も重要なので、購入時は忘れずにチェックしましょう。
7.その他
サングラス・日焼け止め
サングラスは、紫外線カット機能が必須です。日差しのまぶしさ防止のためだけでなく、紫外線の影響を抑えるためにも保護が大切です。
日焼け止めは、ウォータープルーフタイプなど汗や水に強いものがおすすめです。登山前に一度塗って、休憩中にこまめに塗り直すといいでしょう。 日焼け止めを塗るときは、耳の裏や首まわりも忘れずに!
水筒
登山用水筒には、プラスチックやチタン、アルミ製など種類が豊富です。 デザインは各メーカーさまざまですが、飲み口が広いものや超軽量モデルなど登山で扱いやすいのが特徴です。 ぺちゃんこになる水筒は、使用後コンパクトに折りたためることから人気のあるデザインです。
手袋
手袋といえば冬のイメージですが、登山ではロープ場や岩場もあり、手を使うシーンが少なくないため、夏の登山でも使用します。寒さ対策だけでなく、ケガの防止にも有効です。 夏向きの手袋としては、薄手で涼しい素材を使ったものや消臭機能付きなど、使い勝手のいいアイテムがたくさん出ていますよ。
夏の登山をより快適に!ご購入はオンラインショップまたは店頭で
夏登山の服装は、汗冷え対策も万全なレイヤリングを準備しましょう。こまめなレイヤリングを意識すると、快適な状態で登山が楽しめるでしょう。
当店のオンラインショップでは、ご紹介したウェア以外にも多数のモンベル商品をご用意しています。 また、名古屋駅前の店舗には40種以上のブランドを取り揃えているので、「初めての登山で、何を買っていいのかわからない…」というときは、ぜひ駅前アルプスまでお気軽にご相談ください。