ベースレイヤーについて
登山では「レイヤリング」と呼ばれる「重ね着」がとても重要です。 その何枚か着合せる衣類の中でも、肌に密着する「ベースレイヤー」は、特にその選択が重要になります。
着替えをいくつも持っていくことが出来ない山では、濡れによる冷えは時に致命的な結果をもたらすからです。ここでは、ベースレイヤーの選択についてお話いたします。
①ベースレイヤーに適した素材とは?
それは、ウール又は速乾性の高い化繊(多くはポリエステル)です。
綿や絹などの天然繊維は、肌さわりがよく気持ちがいいのですが、汗などで濡れた時、渇きが悪いため、肌の表面がいつまでも濡れた状態になってしまい、不快そのものです。
また、水の熱伝導率は空気の約25倍ですので、肌の表面が濡れていると体はすぐに冷えてしまい、夏でも低体温になるリスクが高くなってしまいます。
②アパレル業界の下着はNGです!
ここで気を付けなければならないのが、化繊100%であっても、その繊維が速乾性に優れたものでなければ何の意味もありません。
化繊でもレーヨンであったり、同じポリエステルであっても、編み方や糸の構造が速乾になっていないものは、保水性が高いのでなかなか乾かなく山には向きません。
よく目にするU社のヒートテックはその代表格です。
これは、街中で着ているには良いものだと思いますが、汗をかく山には向いていませんので、ご注意下さい!
③ウールがお勧め!
天然素材でも、ウールだけは登山に向いています。
ウールは水分を含むと、素材温度が上がる傾向にあり、汗で湿っても寒くなりません。
ウールは水分を含むと、素材温度が上がる傾向にあり、汗で湿っても寒くなりません。
着た瞬間のあのほんわかとした温もりもまた格別でしょう。
現在では、ウールと化繊、その両方の利点を上手に組み合わせたハイブリッドの商品も出ています。
現在では、ウールと化繊、その両方の利点を上手に組み合わせたハイブリッドの商品も出ています。
私的な感想ではありますが、夏のように大量に汗をかく時期にはさすがに向いてないと思いますが、ちょっとでも濡れが寒く感じてしまう季節には、断然、化繊よりウールの方が優れていると思います。
④是非使ってほしい「ドライレイヤー」
最近では、「ベースレイヤー」の下に着る「ドライレイヤー」と呼ばれるものが注目を浴びています。
ファイントラック社から出ている「スキンメッシュ」シリーズがそれです。
肌にピッタリと密着し、汗を素早くベースレイヤーの方に移す役割を持っています。
ファイントラック社から出ている「スキンメッシュ」シリーズがそれです。
肌にピッタリと密着し、汗を素早くベースレイヤーの方に移す役割を持っています。
また、まったく保水せず、高い撥水力を持っているので、ベースレイヤーからの肌への濡れ戻りがありません。
なので、肌表面を常に乾いた状態に保ってくれるので、とっても安心、快適に過すことが出来ます。
なので、肌表面を常に乾いた状態に保ってくれるので、とっても安心、快適に過すことが出来ます。
⑤私の着合わせ例
私が、いつも山へ行く時の組み合わせはこんな感じです。
シーズンや行く山によって使用するものを変えていますが、基本「ウール派」なので、ウールものを多用しています。ドライレイヤーは一度使うと、もう手放せません!
シーズンや行く山によって使用するものを変えていますが、基本「ウール派」なので、ウールものを多用しています。ドライレイヤーは一度使うと、もう手放せません!
A:夏→ドライレイヤー+速乾性のTシャツ
B:初春や晩秋→ドライレイヤー+薄手のウール
C:冬→ドライレイヤー+厚手のウール