コンパスの使い方

コンパスの役割

コンパスはただ単に方角を知るためにだけでなく、地図と組み合わせることによって、自分が地図上のどこにいるのかの現在地の確認や、目標はどの方向にあるのか、または自分の向かっている方向は正しいのかの方角の確認ができ、見えている山は何という山なのか地図を見て確認することが出来ます。
 
さぁ、山へ行く時はザックの中にコンパスを入れて、どんどん使ってみましょう!

磁北線を引いておくと便利です

さぁ、理科の授業です(笑)
 
磁針が指す北(磁北)は真北とちょっとだけズレています。
このズレを「偏差」と言います。
どのくらいズレているかと言うと、西に5度(沖縄)~10度(北海道)です。
 
地図には、「磁針方位は西偏約6度50'」などと記されています。
大雑把に使う分には、あまり偏差を気にしなくてもいいかと思いますが、地図上で6度違ったその先は、目標地点とはとんでもなくズレていかねません。
なので、使用する地図に、偏差分傾いた磁北線をあらかじめ引いておくことを
お勧めします。
 
さぁ、今度は数学の授業です(笑)
磁北線の引き方ですが、タンジェントを使って計算してもいいですが、単純に分度器で6度ずらして書く、またはコンパスのリングを354度に回してコンパスの長辺を使って書くと早いと思います。

コンパスの使い方

コンパスの各部名称

A.コンパスはベース、ベースの矢印、リング、リングの矢印、磁針、度数線などのパーツから成り立っています。
 
コンパスは胸の前で水平に持ち、ベースの矢印が目標物にまっすぐ向くようにしてみます。

進む方向を知るには?

B.進む方向を知るには(地図から風景へ)
 
①地図上でコンパスの長辺を現在地と目的地に合わせます。
(この時、磁針やリングの矢印はどちらを向いていてもかまいません)
②リングを回して、リングの矢印と磁北線とを平行にします。
③コンパスを地図から離して体の正面で構え、リングの矢印が磁北線重なるまで体を回します。
この時、ベースの矢印が指している方向が進む方向です。

見えている山は何という山?

C.見えている山は何という山?
 
①コンパスを体の正面に構え、知りたい山にベースの矢印を向けます。
②リングを回して、リングの矢印を磁針に重ねます。
③コンパスの長辺を地図の現在地に当てます。
④現在地を軸にして、コンパスの長辺の延長上に知りたい山があります。

現在地を知るには?

D.尾根や登山道上にいる時、現在地を知るには?
 
①特徴のある目標物を見つけてからだの前に構えて、目標物にベースの矢印を向けます。
②リングを回し、リングの矢印を磁針に合わせます。
③地図にコンパスの長辺をおいて地図の目標物に当てます。
④目標を軸にしてリングの矢印が磁北線と平行になるまでコンパスを回します。
⑤平行になった時、コンパスの長辺の延長線を引き尾根や登山道と交差したところが現在地です。
E.尾根や登山道上にいない時は?
 
①2つの目標物を見つけて、それぞれの目標物に対して、尾根上にいる時の①から⑤までを行います。
②それぞれの延長線が交差したところが現在地です。目標物を3つ以上に増やすと精度は高くなります。